
鉄道車両製造の面白さは、なんと言ってもその手づくり感にあります。
システム化されたラインに乗って流れるように組み立てられていく自動車と比べれば、それは一層際立ちます。一言で言えば、職人の世界。
目の前でモノが組み立てられていく様子は、モノづくりの好きな人間にとってやはり魅力的です。迫力ある鉄道車両であれば、なおのことでしょう。
私の所属するブロック工場では、鉄道車両の先頭・切妻・屋根・側、つまり床をのぞいた5面体の組立を行っており、私はライン担当のスタッフとしてその工程がスムーズに進むようにあらゆる面からサポート。例えば図面には表示されない詳細な作業内容を示した「作業指示書」の作成などで、現場を支えています。
車両の構造にもよりますが、ラインでは1日に平均して1〜2両が製造されています。品質を維持しつつ、生産性を高めていくことが求められます。

生産日程の管理、維持、治具の用意などの生産準備、生産現場の改善、消耗品の手配、など、ライン担当者の仕事は多岐にわたります。ラインがスムーズに稼働するためには何が必要かを常に先回りして読み、その手配をしなくてはなりません。それに不可欠なのが、コミュニケーション力です。
ブロック工場の現場で組み立て、溶接作業を行う作業員は約70人。彼らが作業のために何を必要としているのかを聞き出し、用意しなくてはなりません。 現場の作業者の様々な改善要望に対して、その回答を曖昧なままにしておくのが一番まずい状態で、YESでもNOでも「彼に聞けばすぐに返事が来る」と思ってもらうことが、作業員からの信頼につながるのです。
もちろん車両は我々の工程だけで製造しているのではありませんから、前工程への改善ポイントのフィードバック、後工程から求められた改善点への回答と、他工程とのコミュニケーションも重要です。
私自身が直接手を動かして組み立て作業を行うのではありませんが、スタッフとして支えることでモノづくりに参加しているという実感は十分にあります。私の準備した治具によって車体が組み立てられていく様子を見ることは、やはり大きな喜びです。

入社4年目のことですが、ドイツで行われた国際的な電車の博覧会を見学してきました。一週間の日程で、併せてイギリスの溶接技術関係の研究所を回ることもできました。世界の鉄道車両を目の当たりに比較できて、日本の車両の構体とはどこが違うか、十分に学ぶことができたと思います。エンジニアとして知見を広げることができ、こうした機会を与えてくれた会社には感謝しています。
これからは機械加工や部品工場など、車両製造の他の工程も経験し、そのすべてを学びたいと思っています。また、従来の製造方法に加えて、新しい技術の導入にも挑戦したいと考えています。
車両はやっぱり鉄道の華。車両があってこその鉄道だと思います。その製造を究めていくことが、これからの私のテーマです。

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