 岡崎:エンジニアリング部では車両検修設備や大型搬送装置をつくっています。知らないことばかりで発見の多い毎日を過ごしていますが、大手私鉄2社への仮台車納入に立ち会ったことは特に印象的です。仮台車というのは、メンテナンス時に鉄道車両を載せる台車のことでメンテナンス作業に適した構造になっていますが、そういう製品の存在自体、私は知りませんでした(笑)。1社目に納入したのは、電車を持ち上げることのできる昇降機能と、工場内のポイント通過のための旋回機能がついた仮台車だったので、運用初日に立会った際は納入までに試運転を繰り返してきたにもかかわらず、ドキドキしました。
山口:お客様にとっては、旋回も昇降も初めての機能だったからね。その分、喜んでくださってよかった。
岡崎:はい。車両の前後の仮台車で昇降ストロークを合わせなくてはならず、工場での調整も勉強になりました。もう1社は仮台車の納入当日に、それを使って行う新型特急電車の検査・メンテナンスの初日と重なっていたので、ギャラリーがたくさんいて緊張しました。
山口:ギャラリーにとっては特急電車のほうがメインで、仮台車には注目していないんだけど(笑)。電車の構造と仮台車の構造が正確に合っていないと、「機器の取り外しができない」なんてことになりかねない。だから、電車を初めて仮台車に載せる瞬間は、まさしく緊張します。特にあの仮台車は特殊な車両にも対応することが要求されていたので、問題なくて安心したよね。
岡崎:そういった車両の形状やメンテナンス性、さらには鉄道会社ごとの工場の仕様と、仮台車の設計は実にいろんなことを踏まえて行われているので、車両メーカーならではと思いました。

山口:とはいえ、仮台車は従来、当社工場の設備であり、対外的に生産し始めたのは2003年のことだよ。当社の工場を見学に来たお客様が、仮台車を見て「うちの工場にも欲しい」とオーダーしてくださったのがきっかけで、製品化が始まったから。
岡崎:エンジニアリング部は新しい取り組みが多いですね。仮台車に限らず、車輪を履いて走る装置・設備をつくるということで、鉄道関連以外に、製鉄関連や航空機関連の製品もあってワクワクしています。もともと私は乗り物の中でも飛行機が一番好きなので、ぜひ携わってみたかったです。
山口:航空機関連はエンジニアリング部で力を入れている仕事の1つだからね。でっかいチャレンジができるね(笑)。
岡崎:航空機の設備は寸法が30mとか40mですから、確かに大きいチャレンジになりそうです(笑)。
山口:製品には必ずポイントがあるから、それをきちんと押さえることと、工程や時間、品質管理への配慮を忘れずにね。
岡崎:学生時代は工程管理や品質管理といった概念を意識したことがなかったので、入社後、先輩に聞いて初めて考えるようになりました。新入社員の今は、電車のこと、装置・設備のことはもちろん、仕事のやり方を学んでいるのだと思います。
山口:仕事のやり方は実際に自分で仕事をして、さらにより良い自分なりのやり方をつくり上げていくものだから、今に限らず、ずっと意識していったほうがいいと思うな。

岡崎:そういう意味では、部内の週間ミーティングで業務内容や、自分が抱えている問題点を発表していますが、今はまだ1週間の行動や出来事を報告するだけで精一杯なので、そろそろ自分の考えを発表しなければと思っています。実際にどういうことをやって、それを振り返るとどんな問題点があったかとか、さらに効率を高めるにはどんな方法が考えられるかとか。
山口:是非実行して欲しいね。人前で発表することで、自分自身の頭の中の整理ができ、また別の視点からのアドバイスももらえるから、ミーティングを活用するのはいいことだよ。
岡崎:設計者といっても部屋にこもってCADとにらめっこしているのではなくて、スペックや使用条件、検査・納入でお客様のところへ行ったり、製造過程では協力工場へ出かけたりと、外での仕事もたくさんあります。だから、自分の考えの伝え方やコミュニケーションにも磨きをかけたいと思うんです。
山口:なるほど。コミュニケーションが良好だと仕事の中身も面白さも倍増するよ。エンジニアリング部では、引き合いから完成・納入までトータルにひとつの製品を担当できるから外との接点を持てると同時に、自分のアイデアが目に見える形になってくるから楽しいし、自分でつくった実感が持てる。
岡崎:そうですね。今までは例えば「電車をつくる」と言っても、漠然としたイメージしかなかったけど、実際に製造工程や内部の機構、さらにはそれにかかわるさまざまな設備・装置を知って、見方が大きく変わりました。今はいろんな製品にトータルにかかわりたいと思っています。

|