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吉野:東京出身の私にとって、名古屋はなじみのない土地。知ってる人が誰もいない初めての街で社会人としてのスタートを切るのは、本当に不安でした。
水谷:確かに最初の頃はずいぶん緊張している感じがしたね。
吉野:ええ。その頃のことは今もよく覚えていないほど、緊張していました。だからエルダーブラザーの存在は、本当に有り難かったです。精神的にもずいぶんと助けられました。
水谷:実は吉野君とは仕事上で直接の関わりはないから、仕事を離れた場面でサポートできたらと思っていたよ。いわば兄貴的な存在になれたらと。
吉野:当時も今もとても気を遣っていただいていると思います。それに水谷さんだけでなく、職場の皆さんもたくさん声をかけてくださいます。
水谷:それが当社の社風だね。まじめで人に対して優しい会社だと思う。
吉野:2ヶ月間の新入社員研修ではすべての製作所を見学できたのがよかったです。事務系なので生産現場に足を踏み入れるというのは、本当にいい経験になりました。あとは、同期の仲間との絆を深められたこと。研修中は同じ寮で暮らしましたから、本当に深いつきあいができました。
水谷:同期のつながりはぜひ大切にして欲しいね。私は入社5年が経ち、一人で仕事を任されることも多くなってきたけれど、各事業本部に聞きたいことがあって連絡をする時に同期がその窓口だったりするんだよ。おかげで情報収集もスムーズにできるし、仕事も滞りなく進められる。同期のつながりは、これから先もずっと活きてくると思うよ。

水谷:吉野君の主な担当業務は経費精算のチェックだね。
吉野:はい。社員の出張旅費などの精算額にミスはないか、市内交通費、接待費などの費目に間違いはないか、経費として認めてよいのかを本社と豊川製作所の伝票を中心にチェックしています。最近では担当業務が広がって、各支店の伝票をチェックすることも多くなりました。
水谷:地味かもしれないけど間違いがあってはいけない重要な仕事だね。集中力を切らさず、丁寧に取り組んでいる姿を見ると、吉野君に向いてるんじゃないかな。
吉野:締めの関係で伝票が多くなる月初と月末は、忙しくて大変に感じることもあります。
水谷:その頃は特に正確さとスピードの両立が求められるよね。それに、1年目の吉野君にはなるべく残業させないようにしているから、時間内に終わらせるよう仕事の段取りも考えるようになるんじゃないかな。
吉野:最近感じるんですが、精算伝票の一枚一枚に意味があるとわかってきました。どの部署の社員がどこへどういう用件で出張したのかを見ることで、会社の日々の動きがおぼろげにつかめるようになってきたんです。
水谷:そうした視点を持てるようになったのは、大きな成長だね。
吉野:ありがとうございます。
水谷:吉野君が社員の経費精算という観点から資金の動きを見ているのに対し、私は財務担当として会社全体の資金の動きを見ている。
吉野:それに、私は日々の資金の動きから会社の動向を見ていますが、水谷さんは将来の資金の動きから会社の動向を見ているんですよね。
水谷:そうだね。これから会社がどう発展していくのか、資金の動きからとらえつつ仕事をしていくことが必要だね。

水谷:現在の目標は?
吉野:今はとにかく、ミスすることなくスピーディーに伝票チェックの業務をこなせるようになることです。そして早く経理のスペシャリストとなり、“経理に吉野あり”と言われるようになりたいと思います。
水谷:頼もしいねえ。期待してるよ。そのために大切なのは一つの業務をしっかりとマスターした後、どのように別の業務に取り組んでいくかということだね。自分が習得したことを自分の中だけに留めておくのではなく、確実に後輩に引き継ぎ、自分は新しいことを学ぶことによって自他ともに成長していって欲しい。
吉野:引き継ぐことによって会社全体が成長していくということですか。
水谷:そう。日本車両は115年もの歴史を持つ会社だ。どうしてこんなにも長く続けることができたかというと、人から人へ、仕事のノウハウをブラッシュアップしながらきちんとバトンタッチしてきたからだ。つまり引き継ぐことを大切にしてきた会社だからこそ、1世紀以上の長きにわたって歴史を積み重ねて来られたんだよ。その伝統を大切にしていきたいと思うんだ。
吉野:なるほど。その通りですね。
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