日本車輌協力工場協同組合
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私たちの製作現場

工場の一角に… 熱すればひずむ 本物になりたい
ロボットと熟練職人 教わってるだけではダメ
マニュアルで覚える? 歓びはUT・MT検査 関連作業風景


 工場内、大きな機械に囲まれている中、黙々と作業する人々がいます。
ある人は手に白い火の出る道具を持ち火花を散らし部材を溶接しています。
ある人は火と水を使い溶接が終わった部品のひずみを取り除いています…。

  「溶接」

 溶接という言葉を知っていても実際にはそれがどんな作業なのか?
そこで溶接にまつわる色々な場面を取材させて頂きました。


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 溶接とは、ものづくりの上で欠く事の出来ない部材と部材を接合する重要な技術であると同時に習得の難しい技術でもあります。

 ロボットが発達した現在、簡単な部分の溶接には溶接ロボットでも対応できるのですが、複雑な部分の溶接には人・それも熟練職人さんでなければ対応することが出来ません。初心者がそうした溶接をなんとか出来るようになるまで(熟練職人さんにみてもらいながら)最低でも5年はかかるとの事からも溶接が大変難しい技術であることがわかります。
 この現場では20年以上の経験を積み重ねてきた熟練職人さん達がより複雑な部分の溶接を行っています。


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 溶接を覚えるにはどうすれば良いのでしょうか?マニュアル本で覚えられるのでしょうか?

 熟練職人さんの次の言葉からすると覚えるにはどうやら『練習、練習また練習』に尽きそうです。
「先輩に見てもらいながら最初は何度も何度もいらない廃材を溶接する練習ばかりしていました。そして簡単な溶接から始め、練習につぐ練習で、気付いたら21年が経ち溶接が出来るようになっていました…。」

 毎日少しずつ技術が向上し膨大な時間が費やされてようやく一人前となり 今も研鑽し続けているという事実に「生涯修行」の文字が頭をよぎります。


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熟練職人さんの溶接風景


溶接/溶断ロボット


溶接部分の拡大写真


 さて、溶接の工程が終わった部品をそのままでは納品出来ません。
なぜでしょうか?

 それは溶接をして熱を加えれば必ず部品にひずみが生じ、そのひずみを取り除かなければ製品に組み込むための部品として成り立たないからです。(溶接をするとどんな厚い鉄板でも歪みが発生するそうです。)
 そこで、ひずみを取るための熟練職人さんが登場します。40年以上もこの仕事を続けているベテラン中のベテランです。

 ひずみを取る作業は 火で熱を加え 水で冷やし 歪んでいる部分を少しずつ曲げて元に戻していくというとても地道で精密な技術を必要とします。最終的なひずみは1ミリ以内に収めないといけない(!)との事ですから製品に対して要求される精密さに驚きますし、それを実現する熟練職人さんの技術力にも舌を巻きます。


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 技術の習得についてひずみを取る熟練職人さんの言葉です。

「こうやったら早く出来るだろうか?こうやったら良く出来るだろうか?いつも、そう考えながら作業をしなくてはいけないよ。ただ、教わった通りの事を繰り返しているだけでは一人前にはなれないよね。」


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溶接作業中、背中の装置が清涼な空気をヘルメット内に送り込む


 溶接の熟練職人さんにありきたりですが次の疑問を投げかけてみました。
仕事のどこに歓びを感じますか?

 「溶接後のUT・MT検査※で欠陥がなかった時かな…。」
自分の仕事に満足出来るのは月に一度あるかないか…という言葉を聞いていましたからその言葉に思わず納得しました。それでは自分の作った部品が車両となって走っているのを見るとうれしいですか?の質問に…

 「そりゃあ、うれしいよっ!」満面の笑みを浮かべてそう答えてくれました。

  ※非破壊検査のことで、溶接がきちんとされているかを調べる事が出来る。
    UT検査:超音波探傷検査/MT検査:磁粉探傷検査


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 今回の取材を通じて職人さんのものづくりへの情熱と歓びを強く感じました。彼らが常日頃から自身の技術を研鑽し、レベルアップしようとするのはそうした情熱と歓びに突き動かされるからではないでしょうか?

 最後ですが、工場を案内いただいたHさんのお話が耳に残りましたのでご紹介して締めくくりたいと思います。

 「自分が持つ高い技術を偉ぶらず黙々とこなす彼らこそ本物の職人だ。」

取材にご協力を頂きありがとうございました。
(取材協力:鬼頭鋼材株式会社様)



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ひずみ取りの作業


右手に火を持ち、左手には水を持つ



 おおよそこうした工程を経て部品が完成します。

ロボットによる切断加工 組付け 溶接
仕上げ ひずみ取り


 鬼頭鋼材株式会社 様

”人と鉄のふれあいを大切に”をモットーに、薄板・厚板・条鋼建材など一般鋼材全ての品種を取り扱う全国にも例を見ない企業様です。
◆詳細はこちらをご覧ください。 ⇒ 鬼頭鋼材株式会社 様 ホームページ



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