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インフラ関連 ~環境にやさしい製品開発~

塗料を使用しない耐候性鋼材を採用した橋梁を施工しています。塗装を省略することで、環境負荷の発生を大幅に削減しています。

送出し架設工法による工期短縮

  我が国の構造として、都市化が進み、大都市圏への人口・ 産業の集中が進んでおります。そのため、都市部における 人および物の輸送環境は過密化し、社会・公共の基礎施設 の整備が不可欠であります。

  日本車両では、長年橋梁の製作、架設工事を行ってきた経験・ 実績があります。近年の過密化した都市部における橋梁の 建設に目を向けますと、密集した道路や建造物、多くの公共 施設利用者への配慮により、作業現場の振動・騒音低減や 作業時間・作業ヤードへの制約も多くなっています。このよ うな条件下において、建設現場にお ける環境負荷軽減のため、低騒音型 建設機械や排出ガス規制をクリアし た建設機械を使用するなどの対応を 積極的に行っています。しかしなが ら、環境対策型の建設機械の導入に より環境負荷を軽減することにも限 度があります。

  環境対策型建設機械の導入とは異なった観点から環境 負荷への影響を考えますと、同じ橋梁建設において、長期間の交通規制により交通渋滞が発生する施工方法で橋梁 建設を行った環境負荷に比べて、架設方法の工夫により交 通規制を短期間で完了させて環境負荷を減らすことは可 能であります。

 

  梁架設工事の方法や技術の面においては、公共事業の発 注者側および利用者のニーズとして無駄な交通規制を減ら すことが求められています。また、近年では二酸化炭素排出 量の面で環境負荷の小さい鉄道が見直され、新幹線をはじ め鉄道の安定輸送を確保することは、今まで以上に要求さ れる事項であります。その鉄道上空への橋梁建設工事等に おいては、鉄道の安全・安定輸送の観点から安全第一、作業 時間の短縮を求められています。

  そういったニーズに対応すべく、跨線橋や立体交差橋な ど、建設する橋梁下の空間を作業ヤードとして長期間に渡り 占用しない「送出し架設工法」の実績が、日本車両には多くあり ます。「送出し架設工法」においては、自社開発の送出し専用 の「台車設備」および「反力管理システム」を使用し、安全か つ迅速な施工方法を確立しています。また、「送出し架設方 法」には油圧ジャッキを使用した「桁降下作業」を伴います が、桁降下作業における作業期間を短縮するため、自社開発 の「桁降下装置」なる専用機械も開発 し使用しています。

 今回の新大阪駅ホーム桁増設工事 においては、上述の工法にて安全か つ迅速な施工を実証致しました。

  このように、間接的ではあります が、橋梁の建設における環境負荷を 軽減させる施工方法を積極的に提 案、更なる技術開発を行い、今後も積極的に活用していき たいと考えております。

送出し工法 >



鋼構造物疲労きれつ検知システム

 近年、地球温暖化の観点から橋梁建設工事に直接・間接 に起因する二酸化炭素の排出量の削減に寄与することが 求められています。最近の研究で、ある程度の交通量があ る路線であれば供用後の走行時間の減少によって、工事に 伴う二酸化炭素の排出量をほんの数年で回収できること が試算によってわかってきました。  鋼製橋梁のライフサイクルは、建設、維持管理、更新のス テージがあります。  建設、維持管理にも環境負荷は発生しますが、更新が最 も多くの環境負荷を発生させる可能性があります。更新時 の工事では、供用中の規制や通行止めまたは迂回路の新 設が必要になります。長期の道路規制や通行止めは、渋滞 や走行時間を増加化させて環境負荷を増大させると考え られます。維持管理をしっかり行って、橋を長持ちさせる事 が環境負荷を低減することに繋がります。

 鋼製橋梁の維持管理は、鋼材のさび・疲労きれつなどの 調査から始まりますが、疲労きれつは発見が遅れると重大 事故につながるので早めに発見し、補修することが大切です。

  一般に、疲労きれつは点検員が橋に近づいて目視で検 査していますが、わずか数cmの疲労きれつを発見するこ とは容易ではありません。 これらの作業を手助け するための装置が「鋼構 造物疲労きれつ検知シ ステム」です。  このシステムは、鋼製 橋梁の中できれつが発生すると致命的となる箇所や目視 点検が困難な箇所などに、あらかじめ、きれつセンサ(破断 検知線)を設置して、きれつの進展を監視するシステムです。 きれつが進展してセンサに達すると電子メールや無線で 知らせてくれます。連絡を受けた後に詳細調査を行い、早 めに補修工事を行うことで、橋を長持ちさせる事ができます。  このように間接的ではありますが、点検技術を向上させ て環境負荷の低減に繋げていくことは、これからの建設工 事でますます重要になってくると考えられます。これから も環境負荷の低減に配慮した製品を提供していきます。

破断検知線 >

 

工期短縮対応型桁架設装置

供用中の道路や鉄道上における桁架設時にはあらかじめ手前で組立てた桁を送り出す送出し工法が多く採用されています。通常、送出し工法においては、送出し装置や水平ジャッキ等が用いられており、10m送出しするのに約30分程度かかっていました。また、送出された桁の降下には鉛直ジャッキが用いられ、1m降下するのに約200分程度かかっていました。
 これらに要する時間を短縮すれば工期短縮に繋がり、CO2・排気ガス削減、騒音・振動の低減等、環境への影響を低減することができます。
 工期短縮対応型架設装置として自走台車・降下装置を開発しましたので紹介します。

 

 LCA(ライフサイクルアセスメント)の取り組み

橋梁のLCAへの取り組みとして、製品の製作時に環境負荷を削減する方法及び、現地に架設後のメンテナンスフリー化で対応しています。
耐候性鋼材を使用したり、材料にメッキ・金属溶射を行ったりすることにより、工場塗装、架設時の現場塗装に伴なう化学物質使用の削減ができ、また供用後の塗り替え等に伴うメンテナンスコストの低減に寄与することができます。
 また、耐候性歪レス鋼板を使用することにより、工場製作時の歪取り作業の削減を図ることができ、過熱・冷却作業に伴うエネルギー・水の使用量を削減できます。

 

 耐候鋼材採用橋梁「樋橋」

 塗装による環境負荷の発生を大幅に削減し、維持管理コストの省力化を図るため、耐候性鋼材を採用した橋梁を施工しています。
 また、樋橋(愛知県南設楽郡鳳来町)では、フランジ材に耐候性歪レス鋼板を採用し、桁製作時の地球温暖化ガスの発生を低減しました。

耐候性鋼材を採用した橋梁(愛知県 樋橋) 

 環境に優しい製品開発:営農

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