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■車両のしくみと進化

車両を表す記号

電車や客車の側面には、「クモハ381」とか「キヤ95」とか書いてあり、これって何だろう? と多くの方が興味を持たれる点です。
そこで、国鉄(現JR)車両の側面に標記された記号、番号の意味について解説します。

 

この記号、番号は旧国鉄(さらに古くは鉄道省)の車両称号規程で定められたものですが、昭和3年(1928)に現在の基本となる規程が制定された後、車種ごとに時期は分かれますが、幾度かの改廃を経ています。
本来は、昭和16年、昭和28年、昭和34年など、制定ごとに掲げるのが本来ですが、ここではそれらをまとめて記すようにします。 太字は現在でも使用されているもの、細字は現在廃止されている記号です。 JR各社の車両称号規程は公表されていませんが、外見上では、JR四国で新規投入した車両を除き、国鉄からの方式を踏襲しているようです。 ※JR東日本で新規投入した車両は、形式番号の先頭に「E」を付けます。  

 

1.電車を表す記号

<新性能電車> 昭和34年(1959年)制定 

101系以降のカルダン式駆動装置の電車を“新性能電車”とし、従来の釣り掛け式駆動の電車(“旧性能電車”)と区分して新しい体系を設けられました。

クハ 111
記号 形式番号 「ハイフン」 車両番号

クハ111形は、111系の運転室付き先頭車。 新性能電車>

 

<直流旧性能電車> 昭和3年(1928年)制定

新性能化以前の電車群(直流)を旧性能電車と呼び、形式番号体系としては昭和3年に制定され、モハ80系・モハ70系・モハ72系まで使用されたましたが、JR化後も宇野線用クモハ84形がこの体系で登場しています。新性能電車も登場時は便宜的にこの体系で付番されたが昭和34年に、上記の新性能電車の体系に変更されました。 

モハ 52 004
記号 形式番号2桁 車両番号3桁

形式モハ52。 001から付番するので4番目の車両。 直流旧性能電車>

 

<社形電車> 昭和28年(1953年)制定

戦前〜戦中に国鉄が買収した私鉄から引き継いだ車両で、雑形電車ともよばれます。戦前買収の車両は上記の旧性能電車の体系で付番され、戦中買収は私鉄時代そのままの記号・番号で使用されていました。昭和28年に国鉄(制式)電車とは異なる、4桁で表す体系にまとめられました。 昭和3年当時には旧性能の体系に入っていた国鉄木製電車も、残りがこの体系にまとめられました。

クモハ 2007
記号 形式番号および車両番号4桁

形式クモハ2000。 000から付番するので8番目の車両。 社形電車>

 

2.客車を表す記号

<客車> 昭和16年(1941年)制定、昭和28年(1953年)改訂

鋼製客車は昭和3年に大きな形式称号の改訂がありましたが、番号のみの形式では行き詰まりが見えてきたため、昭和16年11月、鋼製客車に関して形式番号と製造番号を分離する規程に改正され、全車に改番が行われました。

スハ 43 321
記号 形式番号 車両番号
形式

記号 (昭和3年(1928年)基本を制定、昭和28年「ル」「エ」追加)   客車> 

 
【参考】客車形式 改正の歴史
鋼製客車は昭和3年にも大きな形式称号の改訂がありました。
スハフ  34834
記号 形式番号+車両番号

形式 34720  記号及び番号  スハフ34834 (115号車)

改正の歴史

 

 

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