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■車両のしくみと進化

車両を表す記号

太字は現在でも使用されているもの、細字は現在廃止されている記号です。

2.客車を表す記号

<客車> 昭和16年(1941年)制定  昭和28年(1593年)改訂


スハ 43 321
記号 形式番号 車両番号
形式

記号 (昭和3年(1928年)基本を制定、昭和28年「ル」「エ」追加)

 

記号
(重量)
・ ボギー車の重量区分を表す 
・ 2軸車は無記号
・ 機関車に牽引されるため、重量が重要
・ 重量は積載重量を示す
コ:22.5t未満 小型のコ
ホ:22.5〜27.5t ボギー車のホ
ナ:27.5〜32.5t 中形、または並形 のナ
オ:32.5〜37.5t 大型 のオ
ス:37.5〜42.5t  すこぶる大きい のス(少し大きいのス)
マ:42.5〜47.5t まったく大きい のマ
カ:47.5t以上 格別に大きいの カ (濶大のカ)
※記号の由来は諸説あり(上記は一例)
記号
(用途)
イネ:1等寝台車 (S30廃止)車両は2等車寝台車(ロネ)に格下
営業用としては (H25)JR九州「ななつ星 in 九州」用客車にて復活(マイネ77形、マイネフ77形)
ロネ:2等寝台車 (S35)1等寝台車→(S44)A寝台車
ハネ:3等寝台車 (S35)2等寝台車→(S44)B寝台車
イ: 1等車 (S35廃止)2等車(ロ)に格下
営業用としては(H25)2013年JR九州「ななつ星 in 九州」用客車にて復活(マイ77形)
ロ: 2等車 ロ: 2等車 →(S35)1等車→(S44)グリーン車 
ハ: 3等車 ハ: 3等車 →(S35)2等車→(S44)普通車
シ:食堂車 食堂またはビュッフェの設備のある車両。「食堂」のシ 
テ:展望車 大きい窓、展望バルコニー、ソファーを備えた展望室。「展望」のテ 
ユ:郵便車 郵便輸送の車両。仕分けも行える“走る郵便局”。「郵便」のユ 
ニ:荷物車 旅客の手小荷物、荷物を輸送する車両。「荷物」のニ
ヤ:職用車 非営業用で試験車や、保健車など業務用に用いる車両。「役所」のヤ
ヌ:暖房車  ボイラを持ち暖房用蒸気を客車に供給する。「温い(ぬくい)」のヌ 
ヘ:病客車  傷病兵を輸送するため畳敷きにした客車。1等(記号 イ)、2等(記号 へ)もあった。「病」の別読み「ヘイ」または「兵隊」のヘ (S36廃止) 
ル:配給車(S28〜) 国鉄工場から車両基地へ部品などを輸送する車両。「配る」のル 
エ:救援車(S28〜) 事故復旧機材を積んだ車両。 「救援」のエ 
ミ:軍務車  戦後、駐留軍専用に使用された客車。「ミリタリー」のミ。但し正規の称号規程では定められなかった記号。 
車掌室および手ブレーキ・車掌弁を有する客車(緩急車)は、記号の末尾に「フ」(「ブレーキ」のフ)を付ける。但し展望車、荷物車、郵便車、事業用車には車掌室があってもフは付けない。
複数の構造を持つ「合造車」にはそれぞれの記号を重ねる。      
   
形式
番号
(鋼製客車)
昭和16年規程   
十位(種別) 3〜9 鋼製客車
一位 1〜6 2軸ボギー車、 7〜9 3軸ボギー車
昭和28年規程改訂   
十位 3〜9 鋼製客車
一位 1〜7 2軸ボギー車、8・9 3軸ボギー車(7を明け渡すため改番が行われている)  
その後 
戦災復旧、鋼体化改造、営業用木造車の淘汰、軽量客車の開発などがあり十位は次のように使い分けられた。(規程ではなく慣習として) 
十位 1・2 軽量客車(昭和32年〜)
3〜5 一般型客車
6   木造車の鋼体化改造車
7   戦災復旧車
8   お座敷客車
9   特殊用途  
原則として、同じ車種内では形式数字を重複させないように付番された。
例:
三等車 オハ30、オハ31、スハ32,スハ33,スハ34,オハ35、オハ36、スハ40・・
二等車 オロ30、オロ31、スロ32,スロ33,スロ34,オロ35,オロ36、オロ40・・
二三等車 オロハ30,スロハ31,スロハ32
JR東日本で新造した客車には十位の頭に 記号E を冠する  
   
車両
番号
(製造番号) 
1〜
1から順に付ける
ただし、形式未満で車両を区分する場合は、千位・百位単位で番号を飛ばして番台分けを行うことがある
例:スロフ62   普通タイプ
例:スロフ62 2045  電気暖房付(2000番台)

(新津客車区)
<電気暖房付き 2000番台の例>
形式 オハ41、番号 オハ41 2101
(オハ41 101の電暖化改造)
 
客車の系列 20系固定編成客車以降の新型客車については、規程で系列を定めた。
<例>
20系 ナロネ20、ナロネ21、ナロネ22、ナハネ20、ナハネフ22、ナハネフ23、ナシ20・・・・
14系(寝台) オロネ14、オハネ14、スハネフ14、オシ14、オハネ15・・・
14系(座席) オハ14,スハフ14、オハフ15  等  
※なお 10系、オハ31系、スハ43系、ナハ22000系といった呼び方も巷間使用されるが、これらは規程ではなく車両系統的に分類した趣味的な呼称である。  

(東京駅)  
14系15形客車の一員
形式オロネ15 番号オロネ15-3001
JR化後の新造車、改造車には形式と製造番号の間に−(ハイフン)を設けるようになった。
   
   
 

 

 

客車形式 改正の歴史

記号サンプル


マイテ49  (JR西日本、向日町運転所)
一等(座席)と展望室の合造車(展望の一等ではない事に注意)

一等展望車(昭和35年二等展望車マロテ49に格下げ)


マイネ40 (佐久間レールパーク)
一等寝台車

一等寝台車(昭和30年二等寝台車マロネ40に格下げ)


オロネ10 (佐久間レールパーク)
二等寝台車

二等寝台車→一等寝台車→A寝台車 (所属略号を番号の上に標記)


スハ43 (リニア・鉄道館)
三等車

三等車→二等車→普通車

 

 

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