電気系の仕事

鉄道車両は床下、屋根、室内に所狭しとあらゆる電気機器が取り付けられており、それらを機能させるため、ものすごい量の電線がところ狭し走り回っています(見えませんが)。従って、当社でも電気系の仕事は多岐にわたり、設計、製造、品質保証とほとんど全ての技術系の分野で活躍しています。

設計の仕事では、回路図を引くことから始まり、電気部品の組み合わせの検討・検証などを行い、最終的には鉄道車両のシステム全般の設計を目指します。製造では、機械系などと同じく製造スタッフとして、設計された図面に対し、製造サイドとしての検証から始まり、製造方法の検討、ラインの整備、現場支援などを行いますが、配属は電装部門がやはり中心となります。とはいえ、鉄道車両の製造をより理解してもらい、社員のキャリアアップも兼ね、内装、艤装といった関係する部門へのローテーションもあります。品質保証部門では、製造途中から完成までの適切なタイミングを捉えて、現場が検査していく中、検査項目、手法など新しい製品に対し、図面、仕様書を読み解いて現場に指示します。特に電気系は、制御の部分に関しても、電機メーカーをリードしていくことでよりよい品質保証が出来ます。以前までは、鉄道車両の制御開発は重電メーカーがその役割を担っていましたが、最近では車体傾斜システムの制御開発を当社が手がけた実績があります。

輸送用機器や建設機械などの製品は、以前より当社が制御まで開発しており、その開発には、電気系の社員が活躍しています。キャリヤでは、曲がる時、ハンドルを切る角度に対し、タイヤの一本一本の角度を微妙に制御することで、思い通りに曲がったりすることを実現しています。無人搬送車は走行に関わる、発進、停止、走行速度、GPSとジャイロによる位置検知および補正から、効率的にものを運ぶための運行システムまでを制御します。建設機械では掘ったり、杭を打ったりする作業で、地盤の硬軟に関わらず、速度を一定に掘り進むことができるよう制御したり、発電機では心臓部に当たる電圧制御装置の開発など行います。また、施工管理システムといって、日々の作業量、作業方法、作業環境をデータ化するシステムを搭載するなど、様々な部分がマイコン化され、電気系がその開発に当たっています。

 

鉄道車両本部 技術部 業務計画副グループ長 道場俊文

◆多彩に広がる活躍の場

  電車1両には50〜100くらいの電気機器があり、部品数にすると何万点にも上ります。そうした電気機器間のインターフェイスを整理し、つないで電車のシステムをまとめるのが、艤装設計部電気グループの仕事です。機器が互いに干渉して誤動作を起こさないようにしたり、近年は環境へのやさしさが重視されますので鉄道沿線に対してラジオノイズを低減したり騒音を減らす等、お客様や社会のニーズを多角的かつ細やかに実現しています。

  また、電気系技術者は製造部の電装工場でも活躍しています。車両の配線や結線を行う作業者一人ひとりの能力を最大限引き出し、効率の良い生産ができるように、治具の開発や環境整備を行います。現場の作業を知り、作業者と話し合って要望を聞くことで、改善点が明確になり、大幅な効率化が図れる場合もあります。

  さらに、品質保証部車両検査課では、完成した車両の機能を確認します。ここでは、例えばヒューマンエラーが起きても誤動作が起きないことを実際に確認したり、関係法令を遵守した機能が実現できていることを検査したりします。また、最近の電車の機器はブラックボックス化と複雑・高機能化が進んでいるので、作業者向けに機能確認の手順書を作成することも大切な仕事です。
  このように電気系技術者には、設計開発、製造、品質保証と多彩な活躍の場があります。

◆国内から海外へ、技術で広がる世界

 電気系技術者が当社で働く魅力の一つに、海外の仕事も手がけられる点が挙げられます。例えば、ヨーロッパを拠点としたIEC(International Electrical Committeeの略)という国際規格がありますが、私はその国際規格を審議する日本の国内作業部会で一部分の委員をしています。IEC62267「自動運転における安全要求」の規格を新たに制定する際に、経験と信頼性を重視する日本の価値観に基づいた日本の規格・考え方を反映することができました。当社でIECの国際会議を開催した際には「リニモ」を見学して、日本のモノづくりの考え方や安全性を紹介しました。

 実際に海外で働いた経験は、半年程度の赴任が3回と、1ヵ月程度の長期出張が2〜3回程度で多くはありませんが、そうした海外経験により、生活に必要な程度の語学力は得られましたし、視野も広がりました。また、キャリアを積むことにより前出のIEC国内委員のような経験もでき、技術者にとって面白い職場だと思います。

 車両の電線は人間でいえば、血管と神経。それをまとめていくことに達成感があり、目の前でモノが完成し、動くときには感動があります。ハード、ソフトと多彩な知識が必要ですが、基本の知識や素養があれば入社後無理なく学んでいけるので、電車という大きな製品をつくる当社で、仕事のダイナミズムを味わってください。

電気系の仕事

電機系の仕事で活躍する社員の声 

電子情報工学科卒