鋼構造物疲労きれつ検知システム破断検知線溶接部ヘルスモニタリングクラックパトロール
早期・確実・安価に検出するき裂センサー
近年、地球温暖化の観点から橋梁建設工事に直接・間接に起因する二酸化炭素の排出量の削減に寄与することが 求められています。最近の研究で、ある程度の交通量がある路線であれば供用後の走行時間の減少によって、工事に伴う二酸化炭素の排出量をほんの数年で回収できることが試算によってわかってきました。
鋼製橋梁のライフサイクルは、建設、維持管理、更新のス テージがあります。 建設、維持管理にも環境負荷は発生しますが、更新が最も多くの環境負荷を発生させる可能性があります。更新時の工事では、供用中の規制や通行止めまたは迂回路の新設が必要になります。長期の道路規制や通行止めは、渋滞 や走行時間を増加化させて環境負荷を増大させると考えられます。維持管理をしっかり行って、橋を長持ちさせる事が環境負荷を低減することに繋がります。
鋼製橋梁の維持管理は、鋼材のさび・疲労きれつなどの調査から始まりますが、疲労きれつは発見が遅れると重大事故につながるので早めに発見し、補修することが大切です。
一般に、疲労きれつは点検員が橋に近づいて目視で検査していますが、わずか数cmの疲労きれつを発見することは容易ではありません。 これらの作業を手助けするための装置が「鋼構造物疲労きれつ検知システム」です。 このシステムは、鋼製橋梁の中できれつが発生すると致命的となる箇所や目視点検が困難な箇所などに、あらかじめ、きれつセンサ(破断検知線)を設置して、きれつの進展を監視するシステムです。 きれつが進展してセンサに達すると電子メールや無線で知らせてくれます。連絡を受けた後に詳細調査を行い、早めに補修工事を行うことで、橋を長持ちさせる事ができます。 このように間接的ではありますが、点検技術を向上させて環境負荷の低減に繋げていくことは、これからの建設工事でますます重要になってくると考えられます。これからも環境負荷の低減に配慮した製品を提供していきます。
・母材に疲労き裂が発生する早期の段階※1で検出できます。
・破断検知線は、鋼構造物の一般塗装※2の上に貼り付け可能です。
・破断検知線は、塗装の塗り替え期間(約10年)の耐久性を有します。
・折り返し貼り付け可能で、多少手荒く扱っても切れない強度があります。
※1
破断検出時のき裂通過長さが約5mm以下。下記疲労試験参照。
※2
塗装が完全に硬化した後の健全な塗膜を示します。
・広い範囲に渡って多数の箇所の疲労き裂を連続監視できます。
・疲労き裂の発生を自動的に通報します。
・他のモニタリングシステムよりも比較的安価に設置でき、メンテナンスコストを節約できます。
・塗装塗り替えと同時に施工すると足場費用を削減できます。
・疲労き裂を早期に発見するので補修・補強対策の検討時間を確保できます。
・疲労き裂が想定される箇所を個別に遠方監視できます。
・無線ICタグが疲労き裂の有無情報を発信します。
・消費電力の少ない電池式の無線ICタグで電源工事が不要です。
・疲労き裂情報を点検記録・履歴データとしてデータ管理が可能です。
・1箇所あたりの設置範囲が小さいので橋梁点検車などで施工できます。