鉄道車両トピックス
2005.03
米国メトラ(北東イリノイ地域鉄道公社)より、ギャラリータイプ客車300両に引き続いて、ギャラリータイプの電車、ハイライナー26両を受注しておりますが、この程プロトタイプの二両が完成して豊橋港から米国へ船積みされました。
このハイライナーの愛称で呼ばれている電車は、構体がギャラリー客車と同じステンレス製の二階建て構造で、一階の中央通路の天井がなく、吹き抜けとなっているのが特徴です。 室内は、ギャラリー客車と低天井部を除いて、床、窓、イスの配置、室内灯等、ギャラリー客車と殆ど同じであり、便洗設備もギャラリー客車と同様に配置されております。 ハイライナーの本線では、プラットフォームが高く、車イスリフトは設けられておりませんが、代わりにブリッジプレートが付いており、車イスの乗客の乗降にも支障はありません。 運転室も当初のメトラとの交渉によりギャラリー客車と同じ二階に設けられました。 簡単に言いますと、ギャラリー客車にVVVFの駆動装置、空気コンプレッサー等を床下に、屋根上に集電装置等を配置して電車にしたものであります。 又、客車と電車の違いもありますが、大きな違いは、台車も当社の設計によるもので、今までの米国向け輸出車両の台車設計の経験を生かした鋼板溶接構造のボルスター付き台車となっております。 単機で運転も可能ですが、運転室が片側だけにあって、基本的な編成は2両の固定編成となり、最大4編成8両までの連結が可能です。
今回のハイライナー26両は、2両をプロトタイプとして、豊川で完成させました。
プロトタイプは豊橋港から船積みされ、この後、米国のウィスコンシン州・ミルウォーキーにあるスーパースチール(SS)社で復元工事を行い、メトラへ納入されます。
このハイライナーは、現存する165両余りの車両が古くなっており、その置き換えとなるもので、本線での試運転の後、営業運転に投入される予定です。
ハイライナーはシカゴ・ダウンタウンのランドルフSt.駅(当社が以前に納入しているNICTD向けの電車の終着駅と同じ駅)から、シカゴ南部のユニバーシティー・パーク駅まで約31.5マイルを走っており、支線も一部あります。
残りの24両の量産車は、来年2月には完納する予定です。当社では引き続き、高品質、高性能の電車を納入していく所存です。