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鉄道車両トピックス

イリノイ州ロシェル新工場の開業について

 7月19日(日本時間7月20日未明)、日本車輌製造株式会社(社長:中川 彰、本社:愛知県名古屋市)の連結子会社であるNIPPON SHARYO U.S.A.,INC.(社長:子安 陽、本社:米国イリノイ州)傘下のNIPPON SHARYO MANUFACTURING, LLCが、米国イリノイ州ロシェル市にて新鉄道車両組立工場の操業を開始し、開業式典を催しましたのでご紹介いたします。

  米国において新工場を開業したのは、米国で拡大する鉄道車両市場において、現地一貫事業体制を構築することにより、市場におけるプレゼンスを確固たるものにし、受注機会を拡げ、当社グループの競争力、総合力の強化を図ることを目的とし、地元調達、雇用創出を重視する米国政府政策への有効な対応と工場直営による生産工程の品質・生産性向上、原価低減などを狙いとしております。

 新工場では、日本製車体を輸出する場合と比べて、輸送費が抑えられることと、為替変動リスクを低減できることからコスト低減効果を期待しております。また、需要地である米国に恒久拠点をもつことにより、バイアメリカ条項への適切、有効、かつ柔軟な対応が可能となり、生産工程や納期においても、従来以上の自由度を確保することが可能になります。

 現時点の当社米国子会社における従業員数は約140人ですが、ステンレス構体の現地製造がフル操業となる2013年には、300人近くまで増える予定です。新工場で雇用した従業員は、合計50人以上の従業員がのべ3ヶ月以上にわたり、当社豊川製作所において、溶接、内装、艤装、電装、品質管理などのOJT技術教育を含む一連の教育を施して、万全の体制で生産開始を迎えました。

 新工場は、米国で目下のところ重視されている直接的な雇用創出効果ばかりでなく、さまざまな部品、材料、外注品の調達や、サービスの購入などにおいて、地元経済と密接で良好な関係を構築するとともに、広く米国経済へ貢献することが期待されております。

 開業式典においては、イリノイ州・FRA(連邦鉄道局)および地元市町村や関係団体、顧客、ベンダー等約500人を迎え、イリノイ州知事パット・クイン氏など多くの方々よりご祝辞をいただきました。

 ロシェル新工場では、北東イリノイ地域鉄道公社(以下「メトラ」)向けギャラリー型2階建て電車160両を皮切りに、2015年まで、カリフォルニア州ソノマ・マリン地区鉄道公社(以下「SMART」)向けディーゼルカー12両、カナダ・オンタリオ州鉄道公社Metrolinx(以下「Metrolinx」)向けディーゼルカー18両、ヴァージニア州鉄道公社(以下「VRE」)向けギャラリー型2階建て客車8両などの製作を予定しております。

 当社のマザー工場たる豊川製作所において蓄積した生産管理システムのノウハウを集大成した、安定的、効率的なタクト生産方式を軸とした工場運営が移植されることで、より納期、品質、コスト管理のレベルを上げ、米国市場で30年にわたり築き上げてきた高品質・納期遵守の伝統を磨き上げることにより、さらなる新規案件獲得を目指してまいります。

 

設立予定の車両組立工場の概要

  1. 場所 米国イリノイ州ロシェル市   
  2. 生産能力 ギャラリー型客車に換算して、 年間最大120両程度
  3. 敷地面積 14万u
    建物面積 4万3千u (事務所及び倉庫を含む)
      (ご参考)豊川製作所       敷地面積 25万u、建物面積11万u
  4. 総投資金額  約42億円 (自己資金)


手前の建物が米国工場

7月19日開業式典の様子

 

   

ロシェル新工場にて製作予定の車両

 

 

メトラ向けギャラリー型2階建て電車

 

SMART向けディーゼルカー

  

Metrolinx向けディーゼルカー

VRE向けギャラリー型2階建て客車