鉄道車両トピックス
日本車輌製造株式会社(名古屋市:取締役社長 中川 彰)は、米国イリノイ州メトラ向け二階建てギャラリー型通勤電車160両の受注を契機として、交通の要衝である米国中西部において、下記のとおり、車両組立工場を建設することを決定いたしました。
本決定は、現地一貫事業体制を構築することにより、市場におけるプレゼンスを確固たるものにし、受注機会を拡げ、日車グループの競争力、総合力の強化を図ることを目的としており、地元調達、地元雇用を重視する米国政府政策への有効な対応と生産工程の生産性向上、原価低減及び為替リスクの軽減などを狙いとしております。
記
米国の鉄道車両案件では、連邦資金はもとより、州、市など自己資金が使用される場合にも、60%の米国製部品の使用と現地組立を定めた「バイアメリカ法」が適用、或いは準用されるのが一般的です。 当社は、1980年代より累積納入両数886両のすべての案件において、現地化目標を達成しておりますが、最近の鉄道インフラ整備需要の急拡大傾向と、地元雇用促進の政府方針に鑑み、現地生産の直営化による北米事業の競争力強化を検討してまいりました。 その結果、多くの実績を持つ米国中西部地域で、州当局の各種制度により、インフラ整備を中心とした支援が得られるイリノイ州北部ロシェル市に、鉄道車両の組立工場を建設することを決定したものです。 (なお、米国時間 10月20日に、現地において起工式を挙行の予定です。)
具体的には、当社の米国子会社である Nippon Sharyo U.S.A., Inc.(イリノイ州:取締役社長 子安 陽 以下「日本車両USA」)の傘下に100%子会社として設立したNippon Sharyo Manufacturing, LLCが、総投資額約30億円の計画で、フルライン稼動時点で約260名となる鉄道車両組立工場を建設します。
当工場においては、当社が強みを持つ「二階建てギャラリー型車両」にとどまらず、今後受注を狙う「シカゴハブ」向けの準高速車両や都市交通客電車及び気動車など、米国連邦鉄道局(FRA)の最新基準に適合したステンレス製一階建車両の生産も視野に入れた設備としております。
本決定にあわせて、北米における恒久拠点を活かし、顧客鉄道事業者のニーズを的確に捉え、高いレベルでの実現力の発揮を図るため、技術営業に特化した組織として、同様に日本車両USAの傘下に100%子会社としてNippon Sharyo Engineering & Marketing, LLC を設立し、技術者の増強により、10名強に体制整備をいたします。 (受注案件の遂行は、一貫して Nippon Sharyo Manufacturing, LLC が担当します。)
以上
設立予定の車両組立工場の概要
1. | 場所 | 米国イリノイ州ロシェル市 | |
2. | 稼動時期 | 2012年7月予定 | |
3. | 生産能力 | ギャラリー型客車に換算して、 年間最大120両程度 | |
4. | 敷地面積 | 14万u | |
建物面積 | 4万3千u (事務所及び倉庫を含む) | ||
(ご参考)豊川製作所 敷地面積 25万u、建物面積11万u | |||
5. | 特長 | ・日本車両が長年培ってきた、「タクト生産方式」をベースとしながらも、現地の気候的条件、取扱車種数などに配慮しつつ、マザー工場としての豊川製作所と最適な役割分担を前提とした、最新鋭の設備を有する工場。
・BNSF鉄道の本線に直結し、また近隣にUP鉄道の巨大ターミナルがあり、シカゴ ・オヘア国際空港及び貨物空港として屈指のロックフォード空港まで 1時間程度と、経済性と速達性の双方を満足する立地条件。 |
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6. | 総投資金額 | 約42億円 (自己資金) | |
7. | 雇用規模 (予定) |
操業開始時 約130人(2012年度新規雇用予定は約120人) 本格稼動時 約260人(2013年度新規雇用予定は約130人) ※日本車両マニュファクチャリングの人数です。 |
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8. | 当工場において、製作を検討している車両の例は、以下のとおりです。 |
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ギャラリー型客車及び電車 | 都市間準高速車両 | 近郊型ディーゼル動車 |
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