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鉄道車両トピックス

2013.04

台湾鉄路管理局殿向け 車体傾斜TEMU2000型 「普悠瑪號(プユマ号)」納入


 台湾鉄路管理局殿向け 車体傾斜TEMU2000型 「普悠瑪號(プユマ号)」

 この度、台湾鉄路管理局 ( 略称 TRA :Taiwan Railways Administration ) 殿に車体傾斜制御特急電車TEMU2000型「普悠瑪號(プユマ号)」を納入しましたので、その概要を紹介します。

 この車両は空気バネを用いた車体傾斜制御方式であり、日本国内の車体傾斜車両である小田急VSEやN700系新幹線電車等における当社の実績が高い評価を受け採用されました。

 車体傾斜の制御方式・ソフトウェア等は当社の独自開発技術が用いられています。傾斜角度は最大2度で、曲線区間は一般の車両より25km/h高い速度で安定して走行することができます。この車両の仕様は、設計最高速度150km/h、営業最高速度140km/hの8両編成であり、床耐火仕様や「通用設計」と呼ばれているユニバーサルデザインの思想を十分に取り入れ、安全で使い易く、乗り心地の良い車両となっています。 

 車体はアルミ中空形材を用いた軽量構造で、正面は高速車両にふさわしい斬新な流線型とし、衝突安全性を考慮した衝撃吸収構造となっています。客室腰掛は回転式リクライニングシートと一部にテーブル付のボックスシートを配置し、車内案内表示器はLCD(液晶ディスプレイ)を採用して、より詳細な情報を提供できるようにすると共に、車椅子でも使用し易い多機能トイレや身障者エリア、授乳のための育児室及び自動販売機等も備えています。

 この案件の特徴として、信頼性等の評価手法であるRAMSを用いた設計検証が義務付けられており、更に国際規格または欧米規格への準拠、特にEMC(電磁両立性)対応が要求され、車両設計や各種試験を通してこれらの要求を達成し、2月6日から営業運転に投入されています。

 台湾新幹線の開通もあって格段に交通の便が良くなったと言われている台湾西部地域に対し、今後電化区間の延長等のインフラ整備が期待される東部地域において、この当社製の車体傾斜式特急電車が沿線に住む人々の足となって活躍してくれることを願っています。 なお「普悠瑪(プユマ)」とは台湾南東部の知本・太麻里周辺に住む原住民族の部族名で、現地での一般公募により決まった愛称です。  

 

日本車両と住友商事連合 台湾向け車体傾斜式特急電車16両を受注