一般的に、硬い物より柔らかい物の方が破砕が難しい事と言われています。例えば硬質系プラスチックより、軟質系プラスチックの方が破砕が難しいと言った具合です。以下が処理困難物の一例で、下段が新型破砕機「スマートフィード」で破砕した後の写真です。
フレコン(ベール状※)
フレコン破砕前
フレコン破砕後
ラミネート紙ロール
ラミネート紙ロール破砕前
ラミネート紙ロール破砕後
漁網
漁網破砕前
漁網破砕後
これまで大型の破砕機でしか破砕できなかった処理困難物を小型の破砕機「スマートフィード」で破砕できるようになりました。
また、大型の破砕機をスマートフィード化すれば、処理困難物をより速く破砕することが可能です。
金属などの硬い物や、とてつもなくデカいものが、もっとも破砕が難しいというイメージがありますが、 ネットや布、フレコン等の柔らかい素材、実は、こういった破砕物の処理が一番難しいのです。 もちろん従来の破砕機でも破砕はできますが、 新型「スマートフィード」破砕機はこれらを効率よく破砕できるよう開発されました。
※フレコン:フレキシブルコンテナバッグ ※ベール状:収集したものを圧縮し、結束材で梱包して俵状にしたもの
納入先:加山興業(株)殿
型式:M140ED型(2軸)スマートフィード
納入時期:2018年5月
●循環経済新聞に、納入したSSI破砕機(スマートフィード)が記事掲載され、加山工業殿のHPにも掲載されました。http://www.kayama-k.co.jp/media
破砕例:ワイヤー入り未加硫ゴムの場合
ワイヤーが入ったゴムで未加硫のため非常に柔らかく、破砕が困難な原料です。この処理困難物は、今までの2軸破砕機M120HD(油圧式224kw)では写真と同量を破砕するのに約30分掛かっていました。スマートフィードでは、最も小型のM55EDにより約10分で破砕しました。
スマートフィードの破砕力の理由
破砕物の難易度によって従動軸の動きが自動変動
スマートフィードは電動式の2軸破砕機で、ABB社製インバータで制御されます。もともとSSI社製2軸破砕機は、他社の破砕機よりも処理困難物の破砕に優れていますが、スマートフィードはさらに処理困難物の破砕に特化した動きをする事ができます。
今までの2軸破砕機は、@のように左右の刃物が内側に回転する事で破砕していますが、スマートフィードは破砕困難物が混入すると自動制御でAのように従動軸が減速します。さらに破砕困難物の混入が増加するとBのように従動軸が逆転をします。このように、破砕物の難易度によって従動軸の動きが変わります。破砕物の難易度は主軸に掛かっている負荷(トルク)を電流値で判断しています。
スマートフィードはこのような動きによって、小型機でも今までの大型機に比べ処理困難物を速く破砕できる場合があります。
参考
<2軸電気駆動>
・通常2軸破砕機:モーター1台(オプションでインバーター駆動可能、標準は直入れ)
・スマートフィード:モーター2台(両軸共にインバーター駆動)
<4軸電気駆動>
・4軸破砕機:モーター2台(オプションでインバーター駆動可能、標準は直入れ)
スマートフィード機種構成
機種 | 馬力 | 動力 | 破砕室寸法 |
M55ED型 | 40HP | 30kW | 578mm×1026mm |
M70ED型 | 80HP | 60kW | 725mm×1317mm |
M85ED型 | 120HP | 89kW | 892mm×1608mm |
M100ED型 | 200HP | 150kW | 1041mm×1905mm |
M120ED型 | 400HP | 298kW | 1168mm×1905mm |
M140ED型 | 400HP | 298kW | 1321mm×1905mm |
※型番が大きくなる程、破砕室が大きくなります。