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名古屋市交通局殿向けN1000形

 


● 名古屋市交通局N1000形

平成19年 1号線(東山線)用に製作されたオールステンレスVVVFインバータ車両。ホームとの段差を縮小するため、床面を従来車より60mm下げて低床化を図り、バリアフリーに配慮しています。また、先頭部はデザインを一新し、新形式車両の斬新性を追求したものとなっています。

●名古屋市交通局5050形


納入トピックス

2008.3

 この度、名古屋市交通局殿東山線向けの新形式通勤電車N1000形が完成しました。
名古屋市交通局東山線は昭和32年11月の開業以来、今年で開業50周年になります。 現在、東山線ではアルミ車体の5000形と軽量ステンレス車体の5050形が運用されていますが、このN1000形電車は東山線開業50周年の今年、5000形車両更新のため、導入されることになりました。
 N1000形は従来の東山線電車と同じく6両編成で、車両の長さは15M、出入り口も従来車同様片側3箇所です。 しかし、このN1000形車両は、交通局殿の掲げる「地球環境に優しい」「人に優しい」をコンセプトとして、新火災対策への対応、運転状況記録装置の設置、車両の低床化によるホームとの段差の縮小及び車椅子スペースの増設等、安全性の向上とバリアフリー化の推進が図られています。
 車体は軽量ステンレス製で、日車式ブロック構体をN1000形でも採用頂きました。先頭部はステンレス製で、平面構成ながら「くの字」型として、窓形状と前面灯具の配置を黒色塗装でバランスさせ、黄色のドットマークのアクセントを施し、新形式車両の斬新性を求めたデザインとしました。側窓の上下には東山線のラインカラーである黄色い帯を配しています。

 室内は東山線の電車としては初めて片持ち式腰掛を採用しました。バケットタイプで、座席定員を有効に座って頂く配慮として、小型車両ながら座幅を広くとり、啓発名板を窓柱に表示しました。従来腰掛下に収納していた機器類は妻壁を厚くして設置した収納スペースや床下に移設しています。腰掛表地は従来の東山線のイメージを踏襲し暖色系(エンジ色)としました。優先席を各車に設け、ブルー系として一般席と変化させ視認性に配慮しました。
 身障者スペースは、各車に1ヶ所づつ設けました。このスペースに通話式非常通報器を設置しています。
 乗降出入台は床面を60mm下げることによりホームとの段差を縮小しました。床に黄色の出入り口マットを設置し、側引戸には扉部位の点字名板を設けました。貫通引戸を各妻面に1ヶ所づつ配置しました。
 運転台は東山線としては初めてワンハンドルマスコンを採用し、車両情報装置の搭載、運転台のモニタ情報表示とともに、安全性と機能及び、保守性を高めています。
 編成は4M2TでTc-M1-M2の2ユニットとなります。床面高さを下げるため機器を新設計としてコンパクト化を図りました。車両中央装置及び腰掛下機器の床下移設などもあり、従来車よりかなり機器スペースの配置に検討を要しました。局殿及び、機器メーカとの調整を深め、低床化の実現を果たしました。
 台車も当社で設計・製作しました。空気ばね式ボルスタレス台車で、床下機器と同様に床面を下げるため、台車枠、駆動装置及び各機器において、低床化を求めた設計としています。
 今回の第一編成は今春から営業運転に入る予定です。新形式車両のパイロットとして活躍することを期待しています。