2006年 マニラ都市圏を走る1号線の輸送力増強のため増備された車両。1車両は2車体3台車の連接式で、4車両(先頭車2両、中間車2両)8車体の連結運転を基本としています。先頭部はデザインを一新、既存車から続くイエローとブルーの車体色はグラフィックパターンを変えることで既存車との差別化を図っています。
2007.1
1車両は車体長13m、片側2扉の2車体3台車の連接式で、4車両(先頭車2両、中間車2両)8車体の連結運転を基本運用としています。各車両のいわゆる切妻部は絞り込まれ、貫通路・幌をもたない独特な構体形状をしています。編成の先頭部には連結器はありませんが、アンチクライマーを取り付けています。既存の高架軌道への重量負担を少なくするため重量ペナルティが厳しいので、構体はステンレス製で強度を保ちつつ骨は極力薄く少なく、内骨はアルミ材、室内パネル類に軽量複合材、その他電気機器に至るまで軽量化に努めました。天井においてはユニット化し、空調ダクトは金属を用いずに構成しています。外観はLRT1号線のラインカラーであるイエローを上q下ラインに配し、先頭で円弧を描いてつながっています。また、アクセントとして側入口部にブルーを配し、このブルーとイエローは既存車から続く車体色ですが、グラフィックパターンを変えることで既存車との差別化を図っています。
逆に室内については、既存車にない明暗2色のグリーンを基本とした色調として、さらに天井中央にも床通路と近似のメタリックグリーン色を用いて乗客に新しさをアピールしています。腰掛はFRP製で、軽量化目的のためアルミブラケット式の片持ちロングシートとなっています。また、腰掛、握り棒などは人間工学的な配置、寸法を要求されており、運転室内機器配置とともに配慮されています。車椅子対応スペースは中間車の連接部に設けてあります。
機能的な特徴は各車両のA-Boxと呼ばれる車体に搭載したVVVFインバータ装置により2台車4個の主電動機を駆動させます。屋根上には回生ブレーキのバックアップ用として発電ブレーキ用の抵抗器を搭載しています。クーラ装置は熱帯の気候を考慮し大容量のものを1車体に1台搭載し、混雑した場合でも快適な車内環境を提供する事ができます。なお、熱帯仕様のため客室にヒータはありません。側扉は電気式となっており、手動、非常時の開閉機構も考慮しています。車端部には通常の前照灯・前部標識灯・尾灯の他にブレーキ動作時に点灯するブレーキ灯も内蔵しています。
今回のプロジェクトで、運転間隔を縮めるため信号設備がATSからATPに変更になる予定で、新製時からATPが搭載されています。
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現地試運転 | 現地留置線 | 名古屋港船積み |
また、12月9日にはフィリピン訪問中の安倍首相が新車両の引き渡し式に出席し、アロヨ大統領とともに試乗されました。