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鉄道車両トピックス

2005.1

フィリピンマニラ軽量高架鉄道(LRTA)車両を共同受注

【概 要】

 住友商事株式会社(本社:東京都中央区、社長:岡 素之)および伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、社長:小林 栄三)の2社連合はLight Rail Transit Authority(軽量鉄道公社、通称『LRTA』、本社:マニラパサイ市、総裁:Mr. Melquiades A. Robles)との間でLRT 1号線輸送力増強計画(Phase-II)の建設契約に調印した。

 この輸送力増強計画は国際協力銀行が特別円借款を供与するプロジェクトであり、コンサルタントは(株)パシフィックコンサルタンツ インターナショナル。慢性的な混雑状況にあるLRT 1号線の輸送能力を拡大する為、4両編成の車両を12編成(48両)調達し、更に現行の運転間隔の短縮を図り、自動列車制御(ATC)システムをはじめとする信号システム、通信システムを改良する。またホームの拡幅、駅出入り口の増設、車両基地の拡充も行う。契約金額は約170億円。車両は日本製で近畿車輛株式会社(本社:大阪府東大阪市、社長:櫻井 紘一)、日本車輌製造株式会社(本社:愛知県名古屋市、社長:松田 和久)が供給し、システムは三菱重工業株式会社(本社:東京都港区、社長:佃 和夫)が取り纏める。

【背 景】

 本商談は特別円借款のガイドラインに基づき、日本企業による国際入札で争われ、住友商事及び伊藤忠商事の鉄道分野における豊富な実績と三菱重工のシステム取り纏めの幅広い総合的な技術力又、近畿車輛の豊富なLRV製作実績が高く評価され、受注に漕ぎ着けた。フィリピンにおいて住友商事と三菱重工はマニラMRT 3号線(約17km)の高架鉄道建設を一括受注し2000年に完工している他、MRT 2号線の車両基地も建設しており、同国において久々の大型受注となる。又、伊藤忠商事は、MRT2号線において、下部構造建設及び高架桁建設プロジェクトを受注しており、同国LRTA向けには本件が3件目の受注となる。車両についても近畿車輛、日本車輌の製造する日本製鉄道車両が供給されることになり、特別円借款の主旨に合致した顔の見える援助となる。

 LRT 1号線は1985年に建設され、安定性と定時走行性から利用客の高い評価を得ていたが、2000年に完成したMRT 3号線からの乗り換え客が激増した為、その輸送能力が限界に近づき、慢性的な混雑状況に陥っていた。LRTAはこの計画により輸送量を40,000 pphpd(人/時間・方向)に引き上げ、運転間隔も最短で112秒に短縮する予定。更に1号線はマニラ首都圏南部に延伸される計画もあり、今後共MRT 3号線と共にマニラ首都圏の大動脈としての役割を担ってゆく。