東海旅客鉄道株式会社(JR東海)殿向け、在来線通勤型電車「315系」が完成しましたので紹介します。
エクステリア
デザインコンセプトは「先進性×親近感」としてエクステリアに表現しています。
1.「先進性」
2.「親近感」
インテリア
デザインコンセプトは「優しく安心感のある快適な移動空間」として、以下を実現しました。
1.「優しく安心感のある移動空間」の創出
(1)バリアフリー設備の充実
(2)セキュリティの強化
2.「快適な客室空間」の提供
構体
315系は日本車両の新しいブランド「N-QUALIS」で製作された最初の車両となります。これにより平滑できれいな外板を実現し、構造部材を効率よく配置し強度向上を図っています。また、先頭部スカートは排障機能を向上した形状としています。
電気システム
特筆すべき特徴として、非常走行用蓄電装置(※2022年夏以降、順次搭載開始予定)、制御伝送装置、電気駆動式ドアシステムが採用されています。
非常走行用蓄電装置では、長時間の停電時でも安全な場所まで自力走行する、あるいは、サービス機器を稼働させることができます。
制御伝送装置では、イーサネットによる伝送方式を採用しており、従来に比べ伝送速度が飛躍的に向上しています。車両の制御や各機器の状態を監視し、車両不具合時の早期対応、車両検修の省力化を図っています。
電気駆動式ドアシステムでは、運転台からの指令による開閉機能やモータ制御式により荷物等が挟まると自動で戸閉力を弱める機構に加え、ドア開閉速度を検知することで、戸挟み検知精度を向上させています。
台車
台車はHC85系と同様に、日車オリジナルの「NS台車」が採用されています。NS台車の特長である台車枠構造は、側ばり及び横ばりを各々一体プレス加工とすることで溶接ビード長の削減と、溶接部の構造最適化により応力低減を図っています。これにより信頼性の向上と非破壊検査の省力化によるメンテナンス性の向上に寄与しています。 軸箱支持方式は、同じくNS台車の特長であるタンデム式軸箱支持方式を採用しています。3方向で独立したバネ配置のメリットを活用して通勤車に最適な軸箱支持剛性にチューニングしており、曲線通過性能と走行安定性、乗心地を両立する優れた走行性能を発揮します。
状態監視技術
キハ25形、HC85系に搭載されてきた振動検知装置が、この315系にも搭載されており、台車等の異常を早期に検知し重大事故を防止するとともに、脱線・衝突・転覆を早期に検知し事故による被害拡大を防止します。また315系では、振動検知装置で取得する振動データをはじめ、車両の各種機器の動作状態や故障記録を高頻度で車両基地に送信する機能を有しています。これにより、車両不具合時の早期対応に加えて、故障の未然防止や車両検修の省力化などに活用しています。
新生ブランド「N-QUALIS」
これらの新しい構造の構体とNS台車及び状態監視技術を採用した315系は、日本車両の新しいブランド「N-QUALIS」の第一弾となります。車内外にそれぞれ新生ブランドのロゴとマークを示す銘板を配置しています。
※JR東海殿315系HPはこちら https://railway.jr-central.co.jp/315s/