日本車両が開発した空気ばねの伸縮を利用した高性能な車体傾斜装置は、曲線区間でも速度を落とすことなく安全で安定した走行をすることができるシステムです。 立席の乗客を含め、全ての乗客に快適な乗り心地を提供します。
本システムは、鉄道車両用の高さ調整弁(以下LV)を用いた、空気バネ式車体傾斜システムです。
各機器の役割
A 車体制御機能付きLV(HCLV)
B 車体傾斜制御装置
C ブースト装置
曲線における傾斜動作のタイミング模式図を図3に示します。
本傾斜システムは、次のバックアップを備えています。
装置 | 故障時の影響 | バックアップ方法 |
傾斜制御装置 | 傾斜指令の演算ができない | 隣の車両の制御装置から指令を出す |
地点検知部 | 地上子からの情報が得られず、地点検知ができない | 後尾車の速度センサとジャイロを使用する |
地点検知情報伝送 | 位置情報を伝送できない | 専用のバックアップラインを使用する |
HCLV | 傾斜指令を受けられない | 通常のLVとして使用する 傾斜を行うためには、あらかじめ角度の付いた位置にセットされた専用のバックアップLVに切り替える |
台湾鉄路管理局殿(Taiwan Railways Administration)より受注した車両は、日本車両が開発した高性能な車体傾斜装置を備えています。曲線区間でも速度を落とすことなく安全で安定した走行をすることができ、運転最高速度は140km/hの特急車両です。