> ホーム > 事業・製品> 鉄道車両

 > 通勤型車両

名古屋鉄道殿向け300系通勤電車

● 名古屋鉄道300系通勤電車

平成14年 名鉄小牧線と名古屋市交通局7号線との相互乗り入れ車両。名鉄初のステンレス車体で、室内はロングとクロスを交互配置した腰掛が特徴です。

 

名古屋鉄道殿向300系納入 上飯田連絡線専用車両

2002.05 

平成15年春の上飯田連絡線(名鉄小牧線と名市交7号線を結ぶ新線)開業に向け、名古屋市交通局殿と相互直通運転するための専用車両となる300系が、このほど完成し納入されました。
第3セクターとして運営される上飯田連絡線は、現在の名鉄小牧線上飯田駅から名市交名城線平安通駅間の約1kmの鉄道がなかった区間を結び、名古屋市北部(小牧、桃花台など)と都心を連絡する地下鉄として待望されていました。

側この300系車両は名鉄殿初の無塗装ステンレス車体で、ビードをなくした#80BG仕上げ平板構造の構体は、当社が開発したブロック工法により製作され、高い車体剛性を確保し、乗り心地を一段と向上しました。
先頭部は踏切障害を配慮し、普通鋼製のシルバーメタリック塗装仕上げとし、大型曲面ガラスを採用して、プラグドアの非常扉部との一体感を持たせた丸みのあるデザインとしています。
外部色帯は七号線のラインカラーであるピンクに、名古屋市交通局殿車両と識別するための名鉄スカーレットを配し、ステンレスでありながらやさしいイメージにまとめました。
室内は、片側4扉車でありながらロングシートと転換クロスシートが併設され混雑時と閑散時における快適性が確保できるように工夫されています。側窓ガラスにはグリーンの熱線吸収UVカットガラスを採用し真夏でも強烈な日射をやわらかな光に変えます。

室内また握り棒にはピンク、側出入口靴ずり部にはイエローのカラーをそれぞれ施して、目立ち易くしアクセントと共に注意を喚起しています。床面高さを1100mmとし、ホームとの段差を少なくすると共に、両先頭車には車椅子スペースを設ける等、交通弱者のためのバリアフリーに対応しています。

300系はシステム的にも新機軸を多数盛り込んだ最新鋭車両です。ワンマン運転を前提とした運転席には、乗降客の安全を確保できるホーム監視用の対列車映像伝送装置及びモニタを配し、運転席に座ったまま案内放送や安全な扉の開閉などができる機器配置としています。
側引戸の戸閉機には、従来のエアシリンダ駆動の戸閉機に代わり、選択開閉、再開閉、戸挟み検知制御がしやすくメンテナンスフリーの電気モータ駆動式戸閉機が名鉄殿では初めて採用されました。空気配管が不要のため、車両側のぎ装作業が簡素化されます。
運転台また、車両情報管理システム(TICS)は従来の乗務員支援、検修支援、情報管理が主体のモニタ装置に加え、車両の力行制御、ブレーキ、戸閉、放送、ワンマン機器などの主要機器の指令出力や制御機能を持ち、乗務員の運行支援性を高め、安全性の向上を図っています。このシステムは車両間通信にラダー型ベースバンド方式、車両内通信にRS485を用いた高速大量伝送システムです。

最新のデュアルモードVVVFインバータ、電気指令式ブレーキ、台車中継弁装置、ATC装置の他、ホームドア連動用のトランスポンダや将来のATO運転への準備工事をするなど省力化、安全性の向上に配慮しています。
四月からは、小牧線の犬山ー上飯田間に3編成12両が先行投入され、斬新さと乗り心地の良さが好評で名鉄殿からも高い評価を頂いています。さらに300系は5編成20両が完成し、まもなく300系と共通仕様で製作される姉妹車、名市交殿7000形 2編成8両と共に日車製40両の車両が名古屋市北部の交通アクセスの改善に活躍することでしょう。