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名古屋鉄道殿向け5000系

 

●名鉄5000系

平成20年 特急形態の見直しにより余剰となる1000系「パノラマsuper」の機器を再利用して、ステンレスで新造した車両。外観は3300/3150系と同様ですが、機器搭載の関係で非貫通となっており識別のため正面にスカーレットの帯を配しています。室内は2次3150系同様オールロングシート配置です。

納入トピックス

2008.5

 この度、名古屋鉄道殿より5000系電車14編成(56両)を受注し、第1陣として2編成の計8両が豊川製作所より発送されましたので紹介致します。

 この5000系の誕生経緯は名古屋鉄道殿の経営戦略によるもので、特急車両の形態を全席指定の特急車両2000系「ミュースカイ」以外は、座席指定2両+一般車4両を併結した編成に統一するとの理由から、現在営業中の1000系特急車「パノラマ・スーパー」の全席指定車が順次廃止されますが、この1000系は、車両年齢が比較的若いこと、各機器を流用することによるイニシャルコストの低減及びリサイクルによる環境への配慮等により車体のみを更新することになりました。

 この車両は写真を見てお分かりのように、最近の名古屋鉄道殿の主役になりつつある3300/3150系と 同様の形状となっています。外観の相違点といえば前面の非常用の貫通扉がなく、また、3300/3150系とはブレーキ方式が異なり連結運転できないので、前照灯廻りをスカーレット(赤)の飾り帯で強調し、見分けし易くなっています。

 

 客室内は、3300/3150系とほぼ同等ですが、すべてロングシートで優先席を1両あたり10人分(従来4人分)に拡大し、優先席部の吊手とスタンションポールの色を黄色にして、遠くからでも目につくようになっています。また、切妻部の腰掛けが一部片持ちではなく、旧タイプのけ込み方式(機器を搭載するため)となっていることと、中間車の床面にはモータツナギ箱点検用の揚げフタがあるため、少し違和感を覚えるかもしれません。

 運転室は、運転台が大きく異なり、3300/3150系の右手ワンハンドルマスコンに対して、右にブレーキ弁、左にマスコンハンドルとなっており、全室式の運転台で最近の名鉄殿電車では味わえない雰囲気を醸し出しています。また、背の低い乗務員への配慮もしており、名古屋鉄道殿伝統である前面展望についてはこれまで通り確保されています。

 台車については、5001〜5009編成までがボルスタ付台車、5010〜5014編成までがボルスタレス台車となっており、編成番号により区別をしています。

 2008年3月より順次営業運転に入り、乗客の皆様の足となり活躍することを期待しています。読者の皆様も最新の銀色ボディーの車両がきたら床下を眺めて、機器がぎっしり詰め込んであり、台車が大きければそれは5000系です。