橋梁形式 | 21径間連続非合成少数鈑桁橋+鋼・コンクリート合成床版 |
施工場所 | 静岡県田方郡函南町〜三島市 |
架設工法 | トラッククレーンベント工法 |
備考 | 中部地方整備局 沼津河川国道事務所長表彰(優良技術者表彰) |
連続高架橋として日本最長級となる「八ツ溝高架橋」は、高規格幹線道路「伊豆縦貫自動車道」の一部を構成する東駿河湾環状道路の内、三島市大場〜田方郡函南町に位置する橋長987mの鋼21径間連続少数鈑桁橋です。
建設地域の地盤は軟弱で、橋の連続化は、耐震上の弱点となる橋桁接続箇所を減らし、大規模地震を見据え落橋による被害リスクを軽減することを目指したものです。
通常、高架橋は気温の変化に伴い桁が伸び縮みするため、隣接桁と伸縮継手で接続します。しかし、大規模地震発生時には、橋桁の移動により橋脚から落下する危険性があります。その危険性を減らすために、接続箇所は最小限にすることが望まれます。
また、接続部は、車両の通行により騒音や低周波振動の発生源となり、接続部を無くすことは周辺地域の住居環境向上に寄与すると考えられます。 橋長が長いと、気温の変化による桁の伸縮量が大きくなることが挙げられ、施工時には桁長の精度管理や固定時期が重要になります。
本橋の架設工事は、前例の無い多径間の連続高架橋の施工であり、気温の変化による影響を最小にするため作業時間帯の制約が多く、各作業工程が輻輳する中、綿密な調整と日々の工程管理により良好な施工精度を確保でき、無事施工を終えることが出来ました。
また、周辺住民の環境に十分配慮し安全施工に取り組むとともに、開通前には地域住民を対象とした親子見学会も開催しました。 当該区間は、2014年2月に開通し、所要時間の短縮と既存路線の渋滞解消によるCO2低減が期待されます。