日本車両という社名はご存じなくても、鉄道を利用なさったことがある方なら、すでにわたしたちとは旧知の間柄です。デゴイチの名で愛された蒸気機関車も、チンチン電車と親しまれた路面電車も、また年間1億8千万人もの人々に利用されている新幹線の車両も、わたしたちの技術が携わっているからです。明治29年の創立以来100年、日本の鉄道の発達と共に歩んできた日本車両。その車両づくりの技術はまた、産業輸送機器へ、橋梁建設へ、産業機械へ、環境機器へ、ハイテク農業プラントへと裾野を広げ、着々と実績をふくらましています。社会や暮らしの基本になくてはならないもの。いわゆるインフラストラクチャーと呼ばれる基幹施設づくりが、わたしたちの仕事であり、使命と考えています。おかげさまで100周年を迎えたいま、さらに一層、この努力を重ね続けてまいりたいと思います。
1996.9