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この記号、番号は旧国鉄(さらに古くは鉄道省)の車両称号規程で定められたものですが、昭和3年(1928)に現在の基本となる規程が制定された後、車種ごとに時期は分かれますが、幾度かの改廃を経ています。
<直流旧性能電車> 1928年 昭和3年制定 |
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電車の形式番号体系は明治44年制定「車輛稱號規程」では客車の一部とされていましたが昭和3年形式称号改定で客車と分離され、モハ80系・モハ70系・モハ72系まで使用されました。
形式モハ52。 001から付番するので4番目の車両。 |
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記号 | モ:電動車 | モーター付きの車両「モーター」のモ。
必ず運転台が存在したが、戦後に登場した80系、70系で運転台のないモ(中間電動車)が初めて登場した。 |
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ク:制御車 | 運転台のある車両 「くっついて走る」のク。 モーターは無し | |||||||||
サ:付随車 | モーター・運転台の無い中間車 「差し挟まってはしる」のサ | |||||||||
型式 番号 |
万位 | 無し | 木製 70kW電動車 と同用制御車・付随車 | |||||||
1〜2 | 木製 100kW電動車 と同用制御車・付随車 | |||||||||
3〜9 | 鋼製 100kW電動車 と同用制御車・付随車 | |||||||||
千位 | 0〜4 | 電動車 | ||||||||
5〜9 | 付随車 | |||||||||
車両 番号 |
上位2桁の数字で表す。記号が別でも、原則として同じ数字は重複させない。 クハ68005の 形式は クハ68形 となる。 |
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3桁で表し001から順に付番する | ||||||||||
<直流旧性能電車> 1953年 昭和28年6月1日制定 |
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木造国電、私鉄買収車を整理するとともに、17m級国電を木造国電の空いた番号帯へ移す改番を行いました。 昭和32年以降登場した新性能電車(後の101系、151系、153系、155系、157系)も暫定としてこの体系に置きました(昭和34年改番)
形式モハ53。 000から付番するので1番目の車両。 |
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記号 | 1928年 昭和3年制定と同じ | |||||||||
型式 番号 |
万位 | 1 | 鋼製17m級電車 | |||||||
2 | 旧阪和型の更新車 | |||||||||
3〜9 | 鋼製20m級電車 | |||||||||
千位 | 0〜4 | 電動車 | ||||||||
5〜9 | 付随車 | |||||||||
1928年 昭和3年制定と同じ | ||||||||||
車両 番号 |
3桁で表し000から順に付番する。 (例モハ32000、モハ53000) ただし旧来の車両は001〜のままとした。 |
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<直流旧性能電車> 1959年 昭和34年6月1日改訂 |
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新性能電車の形式が定められたのと同時に在来車(吊掛け式電動車)は「旧性能電車」とされ、形式も一部変更されました。 JR化後も宇野線用クモハ84形(001〜003)がこの体系で登場。
形式クモハユニ64。 000から付番するので1番目の車両。記号の位置が番号の左に移動。 |
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記号 | モ:電動車 | モーター付きの車両「モーター」のモ。 運転台のない中間電動車 | |||||||
ク:制御車 | 運転台のある車両 「くっついて走る」のク。 モーターは無し | ||||||||
サ:付随車 | モーター・運転台の無い中間車 「差し挟まってはしる」のサ | ||||||||
クモ:制御電動車 | 運転台のあるモーター付き車両。 | ||||||||
型式 番号 |
昭和28年制定と同じ ただし記号が別であれば、形式数字が同じものも可とした。 |
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車両 番号 |
昭和28年制定と同じ | ||||||||
・同一形式内で区分する必要がある場合は、百位、十位の数字を飛ばして番台分けすることがある。
例: クハ68005 便所無し(オリジナル) クハ68408 便所付き400番台(改造車) |
記号サンプル
モハ 1035 車両称号規程(昭和3年制定)による木製電車の形式番号 |
形式モハ1。 001から付番するので35番目の車両。 70kW級なので万位 は0で、これは表示しない。 昭和3年以前は、デハと称していた。 当時はモーター車は必ず運転室付きの制御電動車だったので特に区別せず全てモハだった。 昭和34年の改訂まで、記号は番号の上に表記していた。 |
![]() モハ52004 同じく車両称号規程(昭和3年制定)による鋼製(半鋼製)電車の形式番号 |
形式モハ52。 001から付番するので4番目の車両。 モハ記号は、昭和34年改訂までは番号の上に表示していた。昭和34年の称号規程改定ではクモハ52004に変更となり、記号の位置も番号の左に移動した。旧性能電車は、1両単位で、製造年次やタイプが異なっていても連結して運転できる。 |
![]() クモハ12041 車両称号規程(昭和34年制定)による旧性能電車の形式番号 |
17m鋼製車は、従来モハ30形、モハ31形、サロ35形などの形式であったが、 木製車が淘汰され姿を消していたので、昭和28年、空いた10番台の形式に整理・統合された。 17m両運転台付き車はモハ12形に統合し、その出自による区別は番台分けで行われた。昭和34年の改訂で モハ→クモハ に変更された。 このクモハ12も「40番台」に属する。 湘南電車で運転室を持たない”中間電動車”が登場したので、運転室付きの電動車を 制御電動車として「クモ」の記号を付けることになった。 記号も、昭和34年に番号の上から、番号の左に並べる表記方法に変更された。 |
![]() クハ111−1 車両称号規程(昭和34年制定)による新性能電車の形式番号。 |
クハ111形は、111系の運転室付き先頭車。 新性能電車では形式記号は3桁で表示し、番号との間にハイフンを設けた。 |
![]() クハ116−201 車両称号規程(昭和34年制定)による新性能電車の形式番号。 |
クハ116形は、117系の運転室付き先頭車。 これは200番台で、番号を飛ばす番台分けの例。 |