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100系と安芸路旅 子供の頃はもちろん0系も走っていましたが、新幹線と言えばその尖った姿が印象的な100系でした。そんな100 系がダイヤ改正で姿を消すこととなったため、乗り納めに行って来ましたので山陽の観光と共にご紹介したいと思います。 【日本三名橋・錦帯橋,安芸の宮島】
【いよいよ乗車】
この頃になる と100系で運転される本数は少なく、夜の乗車となりました。はやる 気持ちを抑え冬の寒さが残るホームに上がると、700系レールスター やN700系さくら等バラエティ豊かな車両たちが温かく迎えてくれまし た。とりあえず彼らを写真に収めているとホーム放送が鳴りいよいよそ の時が、つり上がった切れ長の目を輝かせ“新幹線”が入線してきま す。ダブルデッカーを4両も従えて16両編成で山陽路を行き来していた 頃の迫力には劣りますが、当時の塗装に改められたその優美な姿はカッコイイの一言でした。 周りにはファンの方々 なのかこの雄姿を写真に収める人も結構いて、その人気の高さを改めて感じました。ワクワクしながら車内へ入る と、車内銘板には“日立”の文字が。ここで日車なら最高なのですがそ こはご愛敬、4列の分厚いシートが整然と並んでいます。元グリーン車 用のシートはふかふかで自由席にも関わらずリッチな気分にさせてくれ ました。車内を観察しているとかもいの横の号車表示が黒く塗りつぶさ れており、そこには薄ら“16”の文字が確認できました。なんだか寂 しい気持ちをよそに車両は静かに走り出しました。
【安芸の小京都・竹原、軍港の町・呉】
2か所目は軍港の街・呉です。古くから日本海軍の拠点として栄えた呉は戦艦大和建造の地とし ても有名です。現在も造船工場が並び海上自衛隊の拠点となっていま す。駅前から港へ進むと、戦艦大和の歴史と技術を紹介した大和ミュー ジアムと、退役した本物の潜水艦を丸ごと展示しているてつのくじら館があります。大和ミュージ アムでは軍港としての呉と 戦艦大和建造に至る太平洋戦争の歴史を知ることができ、メインホールにある実物の1/10で精巧 に作られた大和は見ごたえ十分です。てつのくじら館は海上自衛隊の広 報館として入場料は無料ですが、潜水艦の歴史や掃海(機雷除去)活動 を紹介しています。中でも潜水艦[あきしお]はその艦内に入ることがで き、滅多に見ることができない艦内の様子やコックピットを見学するこ とができます。興味のある方は必見です。
【快適なさくら】 食に観光地に100系に安芸路を満喫した今回の旅もそろそろ終盤。お 土産の定番・もみじ饅頭を買い込み最後は広島から新大阪までN700系 さくらに乗車しました。ご存知の通りさくらの指定席は2列+2列と なっており、木材をふんだんに使用した車内の雰囲気と相まってゆった りとくつろげる空間となっています。どちらかと言えばビジネス向け に特化した東海道新幹線と違い、観光向けに進化した山陽新幹線は乗る 楽しみを感じさせる車両だと思います。(もちろんN700系のぞみも素 晴らしい車両ですが(笑)…)今回のダイヤ改正でさくら・みずほも増発し、選択しやすいダイヤとなりました。西方面に行かれる際ぜひ乗車してみてください。
今回のダイヤ改正では100系と共に初代のぞみとして開発された300系も引退したのはご存知の通りです。慣れ親 しんだ車両が無くなるというのは寂しいことですが、その輝かしい功績は後の車両へ受け継がれていくことでしょ う。 列車に乗ることも楽しいですが、旅の醍醐味はその土地の風土や特産物にふれることです。これから夏本番を迎 え、旅行シーズンとなります。皆さんも時間が空いた時には各地に足を運んでみてはいかがでしょうか。日常には無 い新たな出会いや発見があなたを待っています。
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