> ホーム > ミュージアム |
> 鉄道エッセイ |
名物踏切 さようなら名鉄神宮前1号踏切・JR御田踏切(神宮前踏切)が2012年6月30日をもって使命を終え、踏切廃止となりました。 神宮前踏切は、海側からJR東海道本線の線路を4本、名鉄名古屋本線の線路を4本の計8本の線路をまたぐもので、JR と名鉄の間や名鉄の線路の間にも遮断機があり、中州になっていました。 私もこの中州でパノラマカーの写真を撮影した事があります。 さて、私たちが一般的によく見かける踏切は、警報機があり、遮断機が自動的に下りてくるもの(これを第1種踏切と言います)ですが、神宮前踏切は踏切警手が常時居て、警報機や遮断機を“手動”で操作する踏切として有名な存在でした。 この形態の踏切はかつて多数あり、@駅の至近で列車の回数が多い踏切、A営業線に並行して車庫につながる線路がある踏切、B列車の回数が極端に少ない踏切に多く設置されていました。 @Aに設置された理由ですが、この様な箇所は列車が駅に停車していたり、ゆっくり走ったりする事が多いため、遮断機の下りている時間は必然的に長くなります。 その様な状況の中で、遮断機を上げる時間を少しでも長く確保するためという話を聞いた事があります。
名古屋地区で最後まで残っていた名物踏切ですが、JRも名鉄も高頻度で列車が運転されており、いわゆる「開かずの踏切」という事もあり廃止される事となりました。 柔らかい警報機の音、踏切を渡っている歩行者や自転車に注意を促すベルの音、門型の遮断機、遮断機が半開状態で待たされている車の列等々、思い返せばきりがないくらいの思い出があります。 また、神宮前踏切の北側にある跨線橋は、古いレールを使用した味のある跨線橋ですが、こちらもかなりの骨董品で、数年後をめどに架け替え工事が行われます。鉄道ファンの端くれとして、こういった何気ない日常の光景を記憶に留め、記録して行きたいと思います。
|