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N700A 一番列車乗車記
出発式前日の所用で大阪に宿泊し、当日は早朝5時半に起床しました。新大阪駅発のN700A 一番列車は午前7時 00分出発。これも一番列車に乗るためと思えば早起きも苦にはなりません。外に出ると小雪が舞っていました。 新大阪駅新幹線ホームに到着すると16号車付近に はすでに真っ赤な絨毯が敷かれ、「N700A出発式」 と書かれた看板が掲げられ式典準備が進められていま した。午前6時40分、出発式が始まりましたが、肝心 のN700Aはまだ入線してきません。周りのギャラリー もいつ入線してくるのか気が気でない様子。そうこう しているうちにN700Aの大きなロゴマークが特徴的な 車両が颯爽と入線してきました。ギャラリーの熱い視 線がまっさらの車体に注がれます。 入線を終えるといよいよ車内へ。真新しい新車の 香りがしました。車にしても建物にしても何でもそ うですが、新品の香りはとても気持ちがいいものです。これからの名古屋駅までの170q余りの旅に期待が膨らみま す。そして、発車時刻の午前7時に。盛大なファンファーレのあとN700Aは警笛を高らかに鳴らし、ゆっくりと新 大阪駅を出発しました。京都駅発車後、「本日はN700アドバンストの一番列車にご乗車頂きましてありがとうござ います。」との車内放送が行われました。一番列車に乗っているという実感が湧いた瞬間でした。
車内の設備や流れゆく車窓を味 わっているうちに一番列車は滋賀県内を走行していました。 朝から舞っていた雪が滋賀県東部では積雪するまで降ってい たようで車窓からの眺めは上越新幹線からの車窓のような状 態にあっという間に変わっていきました。新幹線はそれにあわせて減速走行を強いられました。関ヶ原を抜けたあたりか ら一面の雪景色も元の状態に戻り、再び加速を開始、もしか したら今回初搭載された定速走行装置が使われているかもしれないなと考えを巡らしているうちに目的地、名古屋駅 に到着。ホームは多くの報道陣や鉄道ファン、サラリーマンなどでごった返していました。
N700Aを見送ったあと、後ろ髪を引か れながらも足早に本社へと向かいました。いつもと 違った通勤となり、一番列車に乗れた満足感をもっ て仕事に臨むことができました。 これからの東海 道・山陽新幹線を担う存在となるN700Aの記念すべき一番列車に乗れたことはいつまでも思い出に残 ることでしょう。また、このような世間の注目を浴 びる車両を当社が製造していることに改めて誇りを 感じました。
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