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コンクリートの重要な品質管理項目に圧縮強度が挙げられます。コンクリートの圧縮強度は、強度発現に時間を要するため、打込み当日のコンクリートから作製した供試体の28日後の圧縮強度により確認しています。また、圧縮強度は、設計基準を下回る試験値の確率が5%以下(生産者危険率)であるため、打込むコンクリートの全てを確実に設計基準強度以上にすることは困難です。また、強度不足のコンクリートが大量に打込まれ、28日後に圧縮強度不足が判明した場合は、補修や補強など、工期やコストが増大することが懸念されます。
電子レンジ利用で打込み前に判定 安心で確実な品質管理
工場でのコンクリート製造後、運搬・荷卸し検査の区間(45分程度)に、電子レンジを利用したマイクロ波による促進養生を行います。この促進養生によって得られる促進強度から、当日打ち込むコンクリートの28日強度の推定※が可能となり、より一層安心で確実なコンクリート構造物の品質管理が可能となります。
※28日強度の推定は、あらかじめ試験練り時に作成した標準供試体の28日強度と促進強度の相関図から行います。
施工実績
様々な条件における検証
コンクリートの材料は地産地消が一般的であるため、製造されるコンクリートの性状は地域によって異なります。また、工事で取り扱うコンクリートは、セメントの種類が異なる場合や混和材を加えることもあるため、実際の工事で想定される様々な条件に対して本技術の適用性の検証を行ないました。
検証試験結果の下図より、様々な条件に対する促進強度は、28日強度に追従していることが分かります。しかし、下図の相関図が示すように、コンクリートの条件を変更すると相関図も変化しています。したがって、現場ごとに、または取り扱うコンクリートの種類ごとに新たな相関図が必要となります。
なお、促進強度と28日強度との相関係数は0.85以上を示しており、多種多様なコンクリートの条件においても、28日強度と促進強度は相関することがわかります。
促進養生供試体の強度発現性
本技術は、マイクロ波によって、強制加熱を与えることによって、促進強度を得ています。 この促進強度が、水和反応によるものか、確認を行いました。 確認試験では、普通セメントを使用して促進養生した供試体とセメントの代わりに石灰石微粉末として、同条件で促進養生を行った供試体の圧縮強度の比較を行いました。 試験の結果、普通セメントでは、3.5N/mm²の圧縮強度が得られ、水和反応の起こらない石灰石微粉末の圧縮強度を大きく上回りました。したがって、マイクロ波で強制加熱することにより、水和反応が促進していることが判ります。
普通セメント | 石灰石微粉末 | |
促進強度(N/mm²) | 3.5 | 0.8 |
促進強度と28日強度の相関性
W/Cを40%、50%、60%の3種類で促進養生を行い、標準養生供試体の28日強度と比較しました。 その結果、C/Wと促進養生供試体の圧縮強度は比例関係にあり、28日強度との相関性も高く なりました。
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